大学院生によるBook Jockyイベント『hoooon!』vol.2開催しました
Vol.2のBook Jockyは、以下の4人です!
助友文香(首都大M2/空間デザイン)
下西風澄(東大情報学環D1/哲学、身体論)
松原真倫(慶応大政策・メディア研究科D2/政治学)
連勇太朗(慶応政策・メディア研究科D1/ 建築)
Vol.2はBJをしませんが、もう一人、石橋一希(首都大M2/都市計画)の5人でイベントを行っています。
第二回目になる今回は、参加者の和田真文さんが、こんな感想を書いてくださいました。
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レコードならぬ本をターンテーブル代わりにする「Book Jockey」(BJ)をメインイベントに据えた「hoooon!」の第2回が、立川のCloud Cafeで開催された。客はイベント主催者手作りのご飯を食べながら、評者が持ち時間各3分で本を紹介していく様子を楽しむ。評者は、都市空間や建築、政治、空間デザイン、生命論を勉強する院生5人。BJには時間制限の他にもう一つルールがある。前の人が紹介する話の中で話題に上ったキーワードやテーマを引き継がなくてはいけない。評者は他の人が持参する本を知らないまま好きな本を10冊持ち寄った上で、自分の前の評者の話を受け何かしらの文脈を拾いとって即興で話を繋げていく。例えば、助友さん(空間デザイン専攻)はデザイナーがデザインを考える際の過程を知る本として『空間創造発想帖』を取り上げ、2番手の下西さん(身体、哲学論専攻)は、空間を作る秩序に注目し、秩序の根源としての生命をテーマにシュレディンガーの『生命とは何か』に繋げた。隣の評者が紹介する間に自分の持っている本を必死に眺め悩む姿はスリリングで、予め紹介する本を読み合うブックレビューとはひと味違う緊張感が伝わってくる。
BJに近い形式の書評会を挙げるとしたら、「ビブリオバトル」が好例だろう。制限時間内で本を紹介、評者同士でディスカッションし、最終的に観客が心惹かれた1冊を投票するバトル形式の書評会だ。そこに前者のことばを引き取り繋ぐルールが加わると、評者が選んだ一つひとつのことばが、段々とより鮮明に見えてくる。縦横斜め、思い思いに繋げるために立ち昇るのは、定義に幅のあることばや内輪のみで意味が通ることばではなく、評者や聴衆のバックグラウンドに関係なく体内に浸透する肌理の細かいことばである。
異なる興味関心から導かれることばから自分の興味関心に少しでも引っかかるテーマ・キーワードを救い取ろうとする評者と居合わす空間は、出版年や中身の異なる見知った本が異なるテーマや背景のもとで編み直され売り場に配置されることで、それまで目の端に見えているだけだった本に出会い直すときの感覚に似ている。
誰かが口にしたことばから寸分違わぬ感覚を感じ取ることはもちろんできない。だが、他人の感覚を小さな入り口から覗き込むきっかけが連鎖していく空間は、自らの読書体験をより繊細で満ち足りたものにする案内役として小さな指標となりうるのではないか。
和田真文さん
webマガジン「PUBLIC-IMAGE.ORG」編集部にてレポート、インタビューなどを執筆。
最近では、東京都現代美術館「靉嘔ーふたたび虹のかなたに」(2012)アシスタントなども担当。
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hoooon!ならではのLiveの緊張感や、スリリングを楽しんでいただいたようです。
今回、初のBookJockeyを務めて緊張していたので、このような感想をいただけて、とても嬉しく思います。
(助友文香 / hoooon!運営メンバー)
次回、『hoooon!』vol.5は、7/13(金)に開催いたします!。
お申込みを希望の方は、①名前と②申し込み日を明記の上、hoooon@googlegroups.com へご連絡ください☆
詳しい内容は、下記のURLをご覧ください。
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